アラスカでどうやって釣るか はじめに まず最初に、初めてアラスカで釣りをするなら、ガイド付きのボートフィッシングが一番です。狙うサーモンにもよりますが、キングサーモンやシルバーサーモンを釣りたいなら、次の理由からチャーターボートをお勧めします。 @川沿いの土地はほとんど私有地 アラスカの多くの川は、私有地の中を流れている、と考えた方が事実に近いと思います。日本の川のように、堤防があって堤防と川の間は国有地(もちろん私有地も多くありますが)で、川には自由に近づけるという状況にはありません。 川沿いの私有地では、「立入禁止」「通過お断り」という看板をよく見かけます。例外は、川でボートを積み降ろしするための施設、ボートランディングで、これは公営が多いので、そこで釣りをするか、そこから川の中を遡行するのは問題ありません。でも何マイルも遡行するのは楽ではありません。 A釣りのポイント 釣り場まで車で行って、そこから簡単に釣りができる場所は極めて限られています。そんな場所はたいてい地元の人達も大勢利用していますから、ロッシアンリバーのように「コンバット・フィッシング」にならざるを得ません。 また、道路そのものが少なく、幹線を外れると未舗装というのがほとんどです。いくらアラスカだからといってどこでも釣れるという訳にはいかず、やはりポイントは決まっています。そして、そのポイントのほとんどがボートでしかアクセスできないのです。 B岸釣りでのキングサーモン アンカーリバーのように遡上するキングがそれほど大きくない川では、岸からキングを狙うこともできます。しかし、キーナイ川で岸から大きなキングを狙うのはほぼ絶望的です。地元の人達もほとんどあきらめています。 それは、たとえかけても岸まで釣り上げるには、釣り場の上流や下流に平坦な場所が100メートルから200メートルくらい必要だからです。かかったキングといっしょに竿を持ったままでかけずりまわれる場所がないと取り込めないのです。 川の多くは大量の雪解け水で岸が浸食されていますから、こんな場所はなかなかありません。 その点、ボートは魚と一緒に移動できるので、しっかり針がかりしていればまず取り逃がすことはありません。ボート全体がショックアブソーバーになっているのです。 以上のようなことから、しばらく体験を積むまではガイド付きのボートフィッシングをお勧めします。以下、川でのボートフィッシングを中心にご紹介します。 1 プラグを使ったサーモン釣り Backtrolling Plugs Kwick-fishという全長14センチくらいの巨大なプラグと、30ポンドラインを200ヤードくらい巻いたリールとこれに合うロッドを使います。糸は30フィートから40フィート繰り出します。川の流れを受けてプラグは底まで一気に潜ります。ウォプリングといって、流れを受けたプラグの振動が竿をとおして手に伝わって来ます。
ガイドによっては、ニシンの切れ身をプラグに巻き付ける人もいて、なかなかの効果を挙げているようです。 あたりは、ガッガッ、グーンと竿が一気に持って行かれます。しっかり合わせをくれて、糸がゆるむとバレてしまうので慎重にしかしすばやく巻きます。下流に走ることが多いですが、大物はゆうゆうと上流に向かうこともあります。ガイドは魚の動きに合わせてボートを操縦するので、巻き取ることだけに集中しましょう。 緑がかった銀色の魚体が見えてくればもう少しです。ガイドが大きなネットを持って待っているので、魚をそちらに誘導します。ネットに入るまで油断は禁物です。 なお、プラグはK13、K14、K16などサイズが何種類かあります。また、シルバーはスピナーでも狙うことができます。 2 スピン・グローSpin-N-Gloを使った釣り 未だにどうしてこれで釣れるのかよく分かりません。でも釣れます。スピン・グローという特殊なルアーにシングル又はトリプルフックを装着して、規則で餌の使用ができるときはイクラの塊を、だめなときはカラ針のままで釣ります。
3 餌釣り アラスカの餌釣りには、魚の切れ身、一匹掛けもありますが、サーモン釣りではイクラ(筋子)がベストだと思います。キングもシルバーもこれでオーケーです。
余談ですが、サーモンのイクラは原則としてガイドがもらうことになっています。もちろん餌にするためです。しかし、最近、日本の釣り客が増えてきてイクラを持ち帰りたがるので、そういう場合は半々にしていると聞きました。喧嘩のないように十分話し合ってください。 イクラもすぐには沈まないので、おもりを付けるかジェット・プレーナーを使います。 イクラは水に触れるとじきに白く変色してしまうので、あたりがなくても頃合いを見て交換が必要です。 生餌なので、たまに外道としてレインボートラウトなどがかかることがあります。優しくリリースしてください。 ガイド付きの釣り船、フィッシング・チャーターでは、基本的に必要な釣り道具はすべて貸してくれます。防寒対策をしっかりして飲み物とおやつを持って出かければいいのです。長靴はたいてい必要ありませんが、ヒップウエダーがあれば万全です。これも貸してくれる場合があるので、事前に確認しましょう。 4 ソックアイサーモン(紅鮭)釣り サーモンは遡上を開始すると餌を食べなくなる、という仮説があります。キングやシルバーなどを見ているとどうかなぁという気もしますが、ソックアイについては間違いないようです。今年の夏は、釣れたら腹を割いて確認するつもりです。 ソックアイはボートではなく、岸から釣ります。取り込みに広い場所は必要ないので、川沿いのロッジに泊まっていれば、その前でも釣りができます。それをセールスポイントにしているロッジがいくつもあります。 アラスカのソックアイサーモン釣りは、ほとんど次のような釣り方で釣っています。 これはフリッピングFlippingと呼ばれ、20ポンドくらいのリーダーにおもりを付け、フライはソックァイフライを結びます。竿幅一杯かそれよりやや長いくらいに糸を出し、フライを上流45度方向に投入します。おもりが確実に底を打っているのを確認しながら、リーダーにドラグがかからないように竿先を送ります。 ドラグフリーの状態で下流側45度くらいまで流したら、空合わせをしっかりくれてから、また上流に振り込みます。後はこの繰り返しです。
5 海釣り 海でもサーモンが釣れますが、時期的に5月一杯とか6月中旬までと限られることが多いので、ここでは夏の間釣れるハリバット釣りを紹介します。 前にも触れましたが、アラスカは潮流が早いところが多く、その流速に応じて釣り方が若干変わります。 それほど早くないところでは、200号から300号くらいのおもりを使って、巨大な針にニシンの半身や小魚を一匹掛けにして放り込み、あたりを待ちます。ハリバットは底魚ですから、ベタ底にします。 日本のヒラメ釣りと同じで、あたりがあったからといって早合わせは禁物。竿が十分引き込まれるまで待ちます。針は極太ですから合わせは力強くします。後は釣り人と魚の力比べです。竿もリールも糸も、100キロ以上のハリバットに耐えられる頑健なものなので、後は釣り人の根性だけです。 10キロくらいのものは何とか巻けますが、20キロ、30キロとなると重い、重くてあがらないのです。私が非力なせいですが、途中何回も締め込みがあり、糸を切って欲しいと思ったこともありました。 ダウンリガー 流れが速いところでは、ダウンリガーという装置を使います。これはワイヤーの先に特大のおもりを付けて、このおもりの少し上にクリップがあります。サーモン用のルアーをこのクリップで止め、ワイヤーを延ばしながら巨大なおもりをたなまで沈めます。 こうすれば流れに負けずにタナをキープでき、魚が餌をくわえれば仕掛けがクリップから外れてくれます。ワイヤーは電動で巻き取られます。おもりは砲丸投げの砲丸くらいあります。
釣りの時期 サーモンの遡上時期は、種類によって、地域によって、川によってそれぞれ異なります。自分の釣りたい魚はいつ頃遡上するのか、事前に確認しておく必要があります。 釣った魚の処理 また、釣った魚をどう処理するか考えておかなくてはなりません。処理には、内臓除去、3枚におろす、切れ身にする、ジップロックに入れる、真空パックする、冷凍するなどの各段階があります。チャーター料金にどこまで含まれるかは、ガイドによって異なるので、やってもらう場合はこれも確認しておく必要があります。 なお、釣りが盛んな町では、町に魚の処理専門の会社がいくつもあり、冷凍はもとより薫製や魚の発送などを請け負ってくれます。 釣りパック ロッジによっては、宿泊料金、チャーター料金、魚の処理料金込みで○○○ドルという 「釣りパック」を設定しているところもかなりあります。中には、ロッジに大型の冷凍庫があり、梱包までしてくれることもあります。 釣りの費用 はっきり言って、これには標準的というものはありません。地域による差がものすごく、例えばサーモン釣りでも一日100ドルというガイドもいれば、250ドルの地域もあります。 特に、アラスカ先住民の土地で釣りをする場合は土地への立入料などが含まれるせいか、かなり高いものになっています。その分釣果に恵まれるということもあるでしょうから、一概にはいえません。十分下調べしてください。 以上、アラスカでの釣り方について、サーモン釣りを中心にかなりおおざっぱにご紹介しましたが、ドリーバーデン(日本の岩魚)やレインボートラウトもフライやルアーで手軽に釣れます。サーモンが釣れなかったときはチャレンジしてください。 なお、キーナイ川などでは、規則によってキングサーモンを釣った後は一切の釣りができません。川や地域によって規則が異なりますので、ガイドに聞くとか宿の人に聞いて事前に確認してから釣りましょう。 7 ガイドなしで釣りをしたい方に アラスカの釣り規則は結構厳しく、日本とは異なり地元の人はそれを忠実に守っている人がほとんどです。また、日本では「チクる」というのは何かやましく思われますが、アメリカでは当然の義務のように行われています。ですから、釣りの規則を十分守って楽しい釣りをしましょう。自然保護局の監視員は銃も携帯しています。 現在、2005年版のアラスカ釣り規則を翻訳中ですが、2004年版と比べてすでにかなりの変更点が出ています。例えばキーナイ川のかなりの支流では、昨年までは体長制限で50センチ未満のキングサーモンは釣れたものが、今年は全てのサーモン釣りが禁止になっています。 サーモン釣りについては、年々厳しくなってきています。釣りをする前には必ず釣り規則(釣具店やスーパーでただでもらえます。)を見るか、地元の釣具店などで確認してください。規則を守って楽しい釣りをしましょう。
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